業種:銀行業
社員数:1,001人~5,000人
秋田銀行様では、システム導入以前は人の手に依存する管理手法でした。その結果、以下のような課題が散見されました。
このように、規程と実態の乖離や属人的管理に起因した管理レベルのバラツキが起こり、重要書類の紛失・誤廃棄などのリスクが高まってしまう状況でした。
システム構築にあたり目指したのは、保存文書の紛失・誤廃棄等の防止とともに、営業店事務負担の軽減・業務平準化を図ることです。それを重点として開発に着手しました。
また、システムの再構築と共にハード面の見直しも検討しました。従来は伝票と一部文書のみを自行倉庫へ集中化していましたが、営業店事務負担の軽減を推し進めるためにも、当年度・前年度以外の営業店文書をすべて吸い上げ、保存文書の管理を倉庫の専任者が行うようにしました。これにより、税務調査対応などの周辺業務も倉庫側で対応できるようにしようと考えました。
今回、文書管理システムを開発するにあたり掲げた基本理念は、保存文書の紛失・誤廃棄等の【情報事故の根絶】と、文書管理業務のシステム化によって【営業店事務の徹底した効率化】をするというところです。
情報事故の防止は勿論のことですが、営業店からは『文書管理業務の負担が大きい』『本来業務が優先され、文書管理に割く時間が無い』といった声が多く上がっておりました。当行としても、文書管理に関わる負担を軽減し、営業店がコア業務に注力できるという環境を作る必要がありました。
以下のポイントを念頭にシステム開発を進めていきました。
上記ポイントを満たすには、既存のパッケージシステムを導入するだけでは不足でした。よって、当行の現場の声・文化をシステムに反映させるための柔軟なカスタマイズを行えるベンダーが必要でした。それが㈱セキュリティリサイクル研究所でした。
情報事故の根絶を目指す仕組みの一例として、図のようなハンディ端末を使った機械的チェックを取り入れました。
当行では、集中化倉庫を保有してはいたものの、そこで用度品管理も並行して行っておりました。この状態では、これからの集中化に対して十分なスペースが確保できませんでしたので、用度品の在庫基準を見直し圧縮したことで、スムーズに業務が行えるよう配慮いたしました。それと同時に、今後は税務調査の対応も倉庫で行っていきます。
営業店への原本配送にも対応していかなければいけませんが、全てが原本である必要はありませんので、そのような場合は必要文書を倉庫側でPDF化し、行内ネットワークで短時間で閲覧できるような機能も採用いたしました。
合わせて、文書保存箱のサイズも見直しました。従来は、大きなサイズの箱を使用することで、多くの保存文書を収納することが可能となり、箱数が少なくなることを想定していましたが、実態は、文書保存箱の中が満杯でないケースもあり、持ち運びをするのも不便でした。
こうした実態を踏まえ、SRIとの共同開発により文書保存箱を伝票用と一般・永久文書用の2種類のサイズとし、効率的に文書保存ラックに格納でき、かつ持ち運びもしやすく、強固なものにしました。
当行では、ベンダー選定から稼働までおよそ7か月間と短期間ではありましたが、SRIをはじめ、関係各部署の協力も頂戴し、当初の予定通り平成26年4月の本稼働を迎えることができました。
これからの課題としては、まだすべての営業店文書を移管できておりませんので、早い段階で集中化を推し進め、できるだけ営業店の負担を軽減したいと考えております。
また、このシステムを維持定着させることも重要です。第2ステージで更にバージョンアップさせ、営業店の細かい要望なども収集し反映していくことが維持・定着に重要だと考えております。
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