事例:常陽銀行様 「営業店事務改革の一環として文書管理体制を再構築」
常陽銀行は、「お客様中心主義」に徹し、お客様のニーズに合った最適な金融サービスをご提供することによって、お客様・地域社会との信頼関係を深めるとともに、健全性、収益性を高め、企業価値を向上させてまいります。
地域と共に成長するベストパートナーバンク
1935年に常磐銀行と五十銀行が合併し、株式会社常陽銀行として水戸市に設立されました。「 常陽」の行名の由来は、茨城県(旧国名:常陸)を表す「常」の文字に、明るいという意味をこめて「陽」を付けた事によります。また、常陽は常陸の別称でもあります。
茨城県内の預金及び貸出金シェアにおいてそれぞれ40%以上を常陽銀行単独で占めており、茨城県において強固な経営基盤を有し、高い存在感をもっています。また、時価総額では横浜銀行、静岡銀行、千葉銀行に次いで地方銀行4位に位置しています。(2010年3月期)
営業店事務改革プロジェクト
第10次中期経営計画として営業店業務域の効率化プロジェクトを立ち上げ、平成20年4月から23年3月までの3年間にわたり以下の7施策を展開し、行員・パート合わせて約100名相当の事務量の削減を目標としました。
文書管理体制構築プロジェクトの発足
旧態依然の保存文書管理手法の是正を目的に、プロジェクトを発足しました。
従来、営業店の保存文書は、保存期間経過が3ヶ月~半年程度のものは営業店の金庫室、3~5年程度のものは営業店の書庫室、長期保存のものは数カ所ある倉庫に分散保存していました。保存作業は営業店が手書きで文書保存台帳に記入し、自らが倉庫に文書を運搬。倉庫保存中の文書が必要な際には、営業店がその都度倉庫まで出向く必要があり、往復3時間かかるケースもありました。
旧態依然の管理手法が営業店の負担となっていました。当行全体で一覧性のある保存台帳がなく、本部でも拠点の文書管理状況を把握できていない状態であり、誤廃棄や紛失のリスクなども内在していました。
営業店事務改革の一環として、文書管理体制を再構築
営業店事務改革プロジェクトとして、文書管理体制再構築をを含めた7つの施策を推進・指揮された、株式会社常陽銀行 事務企画部 次長 金丸愼氏、文書管理の専任担当の事務企画部調査役 岡部良孝氏に、今回の文書管理システム導入に関するお話をお伺いました。
保存単位は箱単位で十分
銀行で文書管理システムを導入しているところはたくさんありますが、文書単位で管理しているところもあれば、箱単位で管理しているとこもあります。当行が一番感じたのは、文書単位はきめ細かい管理ができるが本当にそこまで必要があるのかという疑問でした。
また、文書単位は美しく見えるかもしれませんが、営業店の現場がきめ細かい管理に耐えられるかどうか不安でした。かなり重い仕事になるので、ほかにも色々とやらなければならないことがある営業店で、果たしてできるかどうかという疑問がありました。
箱単位の管理で不具合があるのか、 管理上でやりづらさや問題が発生すれば別ですが、今でも箱単位で十分管理ができているのであれば、箱単位で良いのではないかと思います。
当行はコストやメンテナンスの効率・投資対効果を考えて、箱単位での管理を採用しました。
手書きの手間、リスクを低減
手書きによる保存作業は、各銀行で共通する悩みだと思います。 当行での保存作業における手書き対応は以下の3つでした。
- 「文書保存台帳」に手書きで記入
- 「保存シール」を手書きし保存文書現物に貼付
- 保存文書保存箱に箱詰する際の手書きによる「箱書き」
几帳面な行員が対応すると綺麗に保てますが、そうでない行員の場合は管理がいい加減になってしまいます。何より手書きによる保存作業は、非常に手間と時間がかかっていました。
システム導入後は、どの箱にどの文書を入れたかをシステムに入力します。プルダウン式で文書の種類が選べるようになっており、手書きに比べてはるかに効率的になりました。また、文書の保存年限が自動的に設定されるようになったので、迷うこともなくなりました。入力後は、保存箱に貼るラベルをシステムから印刷して貼付すれば営業店の作業は終了です。
文書1枚必要な場合は、電送対応
文書の閲覧が必要な場合、文書管理システムを通じて各営業店がオーダーすれば、倉庫の運搬担当者が該当の文書箱を届けにきます。
税務調査等で倉庫に保存している伝票がすぐに必要といった場合は、倉庫担当者が文書箱より該当書類を検索し、スキャナで読み込みをしてくれます。営業店では、パソコンの画面で当該文書を参照できます。
営業店行員がコピー取得のために倉庫に出向く必要や書類検索作業がなくなったことで好評を得ており、毎日のように依頼が届いています。 依頼者への行内ネットワーク経由での電送のため、ファックスで誤送信することなく、またデータ参照後の自動削除機能で顧客情報漏洩対策としても有効です。
倉庫作業、ロケーション管理も効率化
これまでの倉庫では、営業店ごとに保存場所を決めていたため、営業店により管理手法やボリュームが異なり、倉庫内は雑然としていました。また、他店の区画が乱雑であっても整理整頓は自店分のみという状態でした。
システム導入後は、フリーロケーションを採用したバーコード管理システムとなるため、年度ごとのかたまりで箱を管理することができ、倉庫スペースを有効活用できるようになりました。
文書の廃棄もスムーズに
従来は営業店が倉庫に行って、廃棄対象の文書箱を確認しながら廃棄をしていましたが、文書管理システムでは文書の保存期間を管理できるため、倉庫サイドのみで廃棄を行うことが可能になります。
システム稼動で見込まれる効果
文書管理システムの導入により、保存文書の取扱時間が大幅に削減できる見込みです。現在の試算では、1営業店で年間70時間相当分の事務量削減を見込んでおります。
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